昭和四十七年洪水に想うこと
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二ツ井町上野 杉渕 勇治(七十三歳) |
今から三十年前、昭和四十七年七月。止む事を知らないように降り続く雨がもたらした洪水。今思い出してもぞっとします。仕事の関係で雨が降り始めた頃、神奈川県の鎌倉に向かって出発、着いて間もなく秋田県県北地方の水害がNHKのニュースに放映されてるのを見たら、国道七号線、二ツ井交番前の道路が水で一杯になってるではないか、近くが自分の家なので係りの人に話をして、女房と子供二人を残して来た事を伝え、一時間でも早く帰らねばと言う心だけで、上野から夜行列車、青森行きに乗り、秋田に向かったのです。その時ぐらい汽車のスピードが遅いと思ったことがありません。秋田まではなんとか着いたけれど、秋田から先は、線路の状態が悪くて見合わせと言う。案内が放送されたときは、歩いてでも帰らなければと思う心でした。だが間もなく、再びの放送で、発車の案内が聞こえた時は、本当に助かったと思い、列車に乗り、急ぐ心を抑えながら家に向かいました。途中徐行運転の所もあったが、二ツ井駅に到着。降りて見て、びっくり見る陰もない状態。真先に我が家へ。女房と子供達の顔を見なければと急ぐ・・。みんな元気な姿をみて本当に安心でした。それからが大変だったのです。水害と言う字の如く、家の中はもう手のつけようもなく、畳、電気製品、衣類、片づけても使える物もないくらいになってました。それでも、家族みんなが元気でしたので、それだけで安心でした。あのような災害は再びあってはならないようにしたいものです。 |
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