素波里ダムと大洪水と二ツ井町の爪跡
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二ツ井町切石 佐藤 公道(七十四歳) |
思い起こせば、今より三十年前の昭和四十七年七月七日。私は、今の勤労体育館の側の平元さんの仕事で作業員七名とでダム工事後の整備作業をやっていた。すると、昼近くなると突然大雨が降ってきたのです。前日はそんなに雨は降ってなかったようですが、その辺は今は記憶が定かではないが、作業の方は大体片づいた頃であったので私は平元さんに伺いをたてにいったら、作業は止めていいというので、皆でダムの放流を見に行こうと、そうだ行ってみようという事になったのです。そのとき、私たちの作業の場所はダムの上の方であったが「ドドドッ」という音は朝から聞こえていたのですが、今だかつてなかったのですが、平元さんが下の方へ行ってみなさいというので行って、びっくりしたのです。なんと、その時ダムは放流されていたのです。ゲートの下はほんの少々より上げてなかったようですが、水は約十米位 はあったようです。その下を人が通れる位、空いている様に見えるのです。その水が勢い良く岩にぶつかるのです。その水が即座にくもに変わって空に上がって行くのです。まるで竜が天に昇って行くように私には見えました。昔の偉い人がこの現象を想像して画にしたのではと、私は心に浮かぶのであった。雨はだんだん強くなってきます。そのまま家に帰ります。そして次の八日、九日と雨は続くのです。まるでバケツ水をがばっと、浴びるようです。その雨は七百ミリも降ったと云われています。そしてかつてない大洪水は私の家の前の堤防から水が漏れて、石垣の隙間から水が出て、ふくらんできたのですが、皆でどうにか止める事ができたのです。次の朝見にいったら二ツ井中学校の体育館の約三分の二位 まで水が上がっているように見えました。又、この時、私の家の井戸小屋の所へ水が湧き出たのです。外の家の前にも二箇所、金野さんの井戸はだまってても上がってました。これを写 真に撮っていたので、後に建設省の方へ貸してやりその年の内に約二十米の鋼矢板を打ち込みその上にコンクリートを斜めに張り付け、今の堤防になったのです。まことに、ありがとうございました。 |
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