あの思いは二度といや

能代市中川原 木藤 トシ子 (五十七歳)


 いつの年も洪水、川の氾濫とテレビや新聞を見るたび、四十七年の災害が思い出されます。大雨でも堤防は大丈夫、決壊するとは夢々思わず、溢れる位 の水だとそれ程でもないでしょうと、テレビ等濡れないように、流し台の上など高い場所に移し避難しました。まさか家すっぽり泥水に浸かるとは、何にもかも洗わなければ、家が流されずにすんだのが救いだったのか。電気製品、畳と予想以上の出費となりました。三十年も過ぎると少しずつ記憶が薄れつつあります。四十七年の水害、森吉山ダムについての話し合いに出席する機会がありました。四十七年の水害の時、ダムの水を放流したため被害が大きくなったのではと思ってましたがそうではなく、米代川流域に五カ所のダムがあり、今現在建設中の森吉山ダム(貯水量 が一番)それぞれに洪水や渇水調節のダムだそうです。中川原は米代川の下流です。五十年か百年に一度あるかどうか、誰にも予想のつかない大雨が無いとは言えません。側帯工事で堤防の幅は広くなってはいます。専門的なことは分かりませんが、とにかく強い決壊しない堤防であってほしいです。大雨が降ると川の水を見に行きます。二度とあの洪水の思いはいやです。



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