昭和四十七年大洪水の記憶
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能代市中川原 越前谷 美彌子 (七十六歳) |
あの日から、三十年の月日が経った。あの時、四十代だった私も今は人生七十の坂を越えて、遠い昔の出来事として振り返り見る。前々から、異常に激しい雨が降り続いても、時々ほんの少し水浸しという事は経験している地域の人達は、あれ程の大水害になるとは誰も予想しなかったと思う。私は引っ越してきて、工場を建て、家も新築したばかりだった。町のあちこちで浸水騒ぎが始まり、上流のダムが満水になり、放水が始まるという話が耳に入ってきて、それでもまだ半信半疑。備えあればで一応親類知人が畳を起こし、家具など二階に運び上げてくれた。 |
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