(環境)
米代川流域の本流、支流というものは見事な景観を持っている。おそらく他にはない。
美しい米代川の自然を是非残していただきたい。
秋田県内の3大河川の源流から河口にかけて河畔植生から見ますと、米代川は、全域を通
じて最も良好で、多様な群落が優れた景観を醸し出している。河畔植生のうちでヤナギ類、オニグルミといった樹木からなる群落、あるいはヨシやガマ等の群落。これは、動物も含めて生態系の維持に貢献していることから、景観の保全上からも是非残してほしい。
河川敷とか中州等にも鳥類が生息し、子孫を育てている。今後いろんな形で、私どもの議論を踏まえた上で河川改修等を進めていくことができる。
水に親しむ機会を多くすれば、生活排水面等からも住民意識が高まり、河川も徐々にきれいになるような感じがする。
これからも米代川の源流として、飲料水としても、さらに美化運動に、環境に努力したい。
米代川の水質は滞在型観光客数にも影響する。米代川をもっといい水の条件にするには、建設省もするし、自治体の方も考えないといけない。例えば合併浄化槽とか。漁協でも石を返すことを、建設省のなかで考えていくことも必要。
日本あるいは、世界の北限の魚とか、全国的に絶滅に瀕しているトミヨなんかの生活の場を提供している。整備計画がそれの命運を握っている。
米代川は全国的に大鮎の川として有名。5〜6年ほど前から小さくなった。大きな鮎をよみがえらせたいと、平成7年から玉
石を900トン投入した。人の心を動かすと言う意味では成果をあげた。
鮎の魚体が小さくなった原因を解明する必要がある。生物学的に数が増えると小さくなる。
米代川の大鮎は一つのシンボル・キャッチフレーズになる。
今年の天候のせいか、あゆが、ここ始まって以来の豊漁でした。どうしてこうなのか。
(地域づくり)
歴史的に貴重なもの、文化遺産的なものを持っているのが川である。沿川流域の皆さんが川に親しめるようにしていくことが大事であり、我々の役目。貴重な地元の特徴を踏まえながら、新たな施策を進めてただきたい。
地域の発展は、交流と連携をどのようにうまくその地域の中で構築していくかということ。米代川で行くと、川という形の共通
財産と伝統があり、連携がしやすい。新しい形態の地域連携のあり方、あるいは、河川のあり方が出てくる感じがする。
米代川を魚との関係で見ますと、地域住民とか文化、観光、産業と密接な関係を持っていた魚がいるという特徴がある。
上流と中流と河口、大きく3つ位に分けて連携できるような利活用をそれぞれの地域の方々が考えていく必要がある。能代には、昔米代川を利用した祭りがいっぱいあったが、港の増設とともになくなった。能代の住民はもうすこし川に目を向ける必要がある。海釣りもでき川釣りもできることを考えてもらえば。
(親水)
阿仁川を中心に日本一のアウトドアスポーツ、自然体験エリアにしたい。それには、川へのアプローチが少ないような感じ。川は水に触れてこそ楽しみの原点がある。水へ直接アプローチできる、水にもっと触れられる環境を整えてくれることを基本に入れて下されば。
昔の子供は川遊びにたけていた。季節季節のいろんな遊び方をしていた。
子供から大人までみんなが遊べる川づくりをお願いしたい。川水浴や川遊び、学校等に出ていって教えてほしい。
(利水)
1つの提案ですが、できるなば取水は支川で、排水は本川でやってもらいたい。大きな水循環のルールづくりを、今回の新しい計画の中で位
置づけることができたらば。
(その他)
川といのは、その土地の人々、住民が直接自分の生活の中に取り入れ、あるいは、暮らしと向き合わせてきた。現在そういうものがないだけに、住民と川とのつながりがなくなった。
「米代川は舟運の役割を終えたら、今は静かなたたずまいで」と、川と地域住民がかなり疎遠になっている部分がある。米代川ライン下りのようなものがあっていい。
ふるさとの川をもっと親しみをもたせるために、流域の持ち場があってはいいのでは。