委員会設立趣意書

　河川は、上流から下流まで一つの水系をなしていることから、河川整備の円滑かつ着実な実施を通して洪水防御等の機能を効果的に実現していくためには、水系を一貫した計画的な整備が必要である。このため、昭和３９年に制定された河川法においては、河川管理者は、水系ごとに「工事実施基本計画」を策定することとされた。子吉川水系についても、昭和４６年に最初の「子吉川水系工事実施基本計画」を策定し、昭和６２年の改定を経て水系の一貫した河川整備を行ってきたところである。
　一方、豊かで潤いのある質の高い生活や良好な環境を求める国民ニーズの増大等、河川を取り巻く動向に対して的確に応えるため、平成９年に河川法が改正され、その目的に、従来の「治水」、「利水」に加えて、新たに「環境の整備と保全」が位置づけられた。
　また、河川工事の実施について基本となる事項を定める「工事実施基本計画」に代わって、河川整備の基本となるべき方針を定める「河川整備基本方針」を策定するとともに、今後２０～３０年間の具体的な河川整備の内容を「河川整備計画」として策定することが位置づけられた。
　さらに、「河川整備計画」を作成する段階においては、河川の特性と地域の風土・文化等の実情に応じた河川整備を推進するため、河川に関し学識経験を有する者、関係住民、地方公共団体の長の意見を反映する手続きが導入された。
　今般、国土交通省では平成１６年１０月２９日に、社会資本整備審議会河川分科会の審議を経て「子吉川水系河川整備基本方針」を決定したところであり、これを受けて、子吉川での当面の河川整備の内容「子吉川水系河川整備計画（大臣管理区間）」を策定することになった。このため、河川に関し学識経験を有する方々から意見を聴取するための「子吉川河川整備委員会」を設立するものである。