第5回子吉川河川整備委員会 議事概要

第5回子吉川河川整備委員会 議事概要

議事概要

議事概要


<意見交換>
(発言者)   ●:委員    ◆:事務局

1.資料-3「子吉川水系河川整備計画素案に対する意見について」に対する意見
 

住民の意見に対する答えについて、正確にしなければいけないので、注意を払う必要がある。是非、私と事務局とで相談してまとめさせていただきたい。

地域住民は一番大事にしなければならない。住民の意見に対する答えについて、幾つか不足な点がみられる。

早めに整理して、ホームページに載せたいという事務局の意向があるため、1週間程度でご指導をお願いしたい。

住民から寄せられた意見は、具体的に原案に反映しているのか。それとも、意見を寄せてくれた方に個人的に答えるだけか。

寄せられた意見が原案に反映できているかについて確認をおこなった。意見の内容が質問や要望と原案に直接関係ないものについては、資料-3の形でまとめてお答えしたい。

具体的に原案に文言を加えたところはあるか。

ありません。例えば30年間で整備するのが遅いのではないかという意見が多く寄せられたが、原案ではおおむね30年間を目標とすると書いてあり、必ずしもご意見を反映しているわけではない。ただし、資料-3における答えとして、予算、財政等を勘案し、着実に進めるという答えをしている。

公聴会、ハガキ、意見用紙、インターネットなどを通してさまざまな意見が集約できたということは非常にすばらしいことだと思う。



2.資料-4「子吉川水系河川整備計画素案と子吉川水系河川整備計画原案の対比表」に対する意見
 

資料-4の39ページの表4-1は、キャプションを修正しているが、「子吉川の河道の目標流量」と直すのではなく、「子吉川の基準地点の目標流量」としたほうがいいのではないか。

41ページの図4-3のキャプションで「必要な流量における基準地点」というと、不明確である。「必要な流量を定めた基準地点」と修正してはどうか。

例えば39ページの表の表題については、全国の整備計画でこの表題が使われていると思われるため同様にしている。わかりやすさが必要だと思うので、検討させて欲しい。

資料-4の69ページ、図5-29で、「子吉川における外来植物の変化」とあるが、詳しくは「外来植物群落の面積の経年変化」ということになるのではないか。



3.資料-5「子吉川水系河川整備計画原案(大臣管理区間)」に対する意見
 

最近では国土交通省で観光への取り組みが盛んになっている。しかし、この計画のなかでは「観光」という言葉がでてこない。ただ「景観に配慮した」ではなく、どこかに「観光」ということも入れておいていただきたい。最上川は舟下りがあるから「山形県の最上川」であり、子吉川も「観光」の面で生かして、由利本荘市の子吉川にしたいと思う。

観光という言葉は河川整備局では使っていないが、本文の2ページにあるように、この河川整備計画の基本理念の4つの柱の4つ目、「一度訪れた人が何度も訪れ、地域交流の拠点となるような川づくりを目指す」ということは、地域間交流に資するような川づくりということで、強いて言えば観光力の増進ということである。
 ただ、整備計画は河川法による法定計画であるため、河川法の範囲外の観光については、「関係機関と連携の上で観光」云々ということが書ける程度である。どこまで書き込めるか検討するが、志はそういう交流を目指しているということである。

整備計画案での49ページ、「中小洪水における鳥海ダムの整備効果」として囲み記事のようなところに、文言の工夫、枕詞を入れるなどして、もう少しダムの必要性をわかりやすく紹介できないものか。

河川整備計画は法定計画であり、できるだけ簡素にわかりやすく、書くべきものは書かなければならない。これを補完するが事務所の説明会であり、パンフレットであり、丁寧に補完していくことで対応していきたいと考えている。

61ページ、④の管理の高度化で、「少子高齢化の進展に対し」とあるが、前後の文章とあっていないのではないか。もう少し修正していただきたい。

危機管理訓練、水防訓練という言葉が62ページ、64ページに載っているが、避難訓練という言葉がない。「住民自らが自主的な防災活動ができる」と書いてあるが、避難訓練をどういう体制で考えているのか。

避難訓練は地域防災力を向上するために極めて重要な活動だと思うが、河川管理者がその実施責任を負っているものではない。これは地方自治体が避難勧告を出す、避難指示を出すという責務があり、河川管理者が避難訓練をやろうということではない。しかし、支援することはできるので「危機管理訓練を県や市町村と連携して実施」の中に含めて書いている。

62ページに、何ができるかを明確に箇条書きにしたほうがわかりやすいと思う。避難に関することもその中に入れられないか。

62ページに、具体的な例で書き込めるようなものがあれば、より理解しやすいと思うので検討させていただきたい。

この委員会の中で予防原則とか、適応的管理の話を多くしてきた。適応的管理とは、その場の状況に応じて最もふさわしい対応をとることであり、この意味で、モニタリングが重要になると思うが、実際に書いてあることをきっちりと実施する体制を強く望みたい。

79ページに、計画のフォローアップを行うことは、文章として書いてある。社会状況や地域の様相の変化、災害等による河道の変化、生態系の変化を考慮し、我々が責任を持ってフォローアップしていく中で、事業評価の役割を持つこの委員会から御意見をいただきながら、適宜適切に対応したい。

事業評価をするにはモニタリングがなければできない。特に環境面では、状況の変化に応じて適正な対応がとれるよう、常にモニタリングを行うこと、常に意見を聞けるような窓口を開いておくことを望む。



4.資料-6「経済的妥当性の確認(補足)」に対する意見
 

資料6の2ページ、費用対効果の内訳の表がわかりにくい。

建設費の中の現在価値化として書いてある数字に至るまでのプロセスがこの資料では説明がないので、これを補足する資料を、別途各委員の方々にお配りします。



5.資料-7「子吉川水系計画段階における環境影響分析について」に対する意見
 

「既存データ」という文言が、河川水辺の国勢調査に当たるという話であったが、「河川水辺の国勢調査」のデータをこの貴重な計画の中に盛り込んでいることを大いにアピールしていただきたい。

河川環境に関して、シロウオ、サケ、サクラマスなどの遡上・産卵、これはそれぞれの種類によって対応が違ってくるはずなので、もう少しきめ細かい表現にし、具体性を持った文言、説明があったほうがよい。

下から3行目ぐらいに、「水環境(水量・水質)」「動植物」「人と自然」とあるが、「水環境」という言葉でいいのか。「水文環境」という言葉もあるので、検討してもらいたい。

上記3点について検討し、対応したい。

ダムと河道改修案が環境影響評価という観点から見ても、一番いい案であるという結論だった。アセスメントは、計画段階で実施するのが一番いいわけだが、環境影響分析報告書は、今の段階ではどういう位置づけなのか、教えていただきたい。

河川整備計画は法定計画であり、できるだけ簡素にわかりやすく、書くべきものは書かなければならない。これを補完するが事務所の説明会であり、パンフレットであり、丁寧に補完していくことで対応していきたいと考えている。

河川事業の計画段階における環境影響の分析方法ですが、これらを検討する委員会が本省で設けられ、検討結果が14年12月に提言されている。この提言に基づいて、子吉川を含め全国で6河川選定され、試行している。まだ終わっていない川もあるが、分析方法についての課題や問題点を抽出し、さらに内容の向上を図って、広く展開していくという予定である。

今後いろいろ事業を行う段階で、計画前に実施するという方針があるのか。それともこれからの課題なのか。

社会情勢、経済性という指標と違い、環境についてはなかなか定量化できないが、定量化できないなりに、計画論を決定する際に環境についてしっかり検討するという手続を行政手続の中に入れていくことを確立したいという意味合いで試行している。



6.参考資料「子吉川水系計画段階における環境影響分析 分析報告書(案)」に対する意見
 

環境影響分析の分析報告書(案)を項目的に拝見したが、ダム建設の過程での環境分析も含まれているのか。

ダム事業は、今後環境影響評価法に基づいたアセスメントを行うため、今回の環境影響分析には入れていない。ここに記載しているのは、河川水辺の国勢調査などでわかる範囲で記載している。



7.その他
 

整備委員会のメンバー委嘱がどうなっているか、住民の人たちは関心がある。今後、会議開催されるときに、一部の学識者等だけでなく、住民全員に対する窓口が開かれるのか。できる部分は、市民に開く、公募という形になると思うが、そういう形で進めて欲しい。

住民、市民の皆様の意見を聞く場を開くことは重要である。また、どういう形式で意見をもらうかは、難しい問題である。個々の事業の規模、それが影響する範囲など、いろいろな性質を個々に考えながら、画一的ではなく、最良と思われるやり方を検討したい。

多額の費用をかけて、いらない物をつくったと言われることがあるが、この原因としてディスカッションに参加していないことがあると思う。今後は意見や疑問の問い合わせ先を明示し、住民が疑問を持ったら、委員でない人方も含めてどんどんディスカッションをする。そういう体制をつくっておくことが必要ではないか。

河川整備計画にかかわらず、道路事業、河川事業にしても、窓口、地方の出先の出張所、事務所のインターネットでも御質問についてはすべて窓口を開いており、速やかに対応できると思う。

公聴会の意見を見て、世間でダム不要論が非常に流布している中で、これに対する疑問が全然出ていないことに意外な感じがした。

早期にダムを整備すべきだという意見は多数言われているが、公聴会の中ではダムはむだな投資ではないかという意見もいただいており、今後とも丁寧に説明し、御理解をいただきながら、仕事を進めたい。

今後、公聴会、説明会というものを開く予定はあるか。

整備計画は、本日の委員会の意見をふまえ、河川管理者として判断して策定作業に入ります。その後、各省庁等関係機関との意見調整を行い策定していく。これを冊子にまとめる際に、皆様方にわかりやすくするため、Q&Aを入れたわかりやすいパンフレットをつくっていくことになる。整備計画策定において、新たに説明会を実施する予定はないが、個々の事業を進める際には、説明会を行い、ご理解をいただきながら事業を進めていくことになる。

住民がこの整備計画をきちんと理解できるかどうか、この後の事業評価に絡んでも重要なポイントになる。この委員会に出ている方以外はなかなか理解できないと思うので、できるだけわかりやすく、いろんな疑問に答えるようなパンフレットを作成してほしい。

現地の仕事をどう進めていくか、どういう進捗になっているかというフォローアップと、地域の住民の皆さん方が河川に対してどのような考え方をされているかというフォローアップも含め、しっかり対応していかなければと思う。

鳥海ダム調査事務所が設置されてから、様々な機会を通じて、ダムに関する会議等に出させてもらい、ダム建設予定地である百宅の方々の意見等も述べてきたが、ようやくこれで原案が認められれば、百宅の方々も少しは生活の設計が立つという点で本当によかったと感じている。

従来は旧町ごとに様々なボランティアや会が、様々な活動をして、この川を大事にしてきたが、合併して一つになったことで、下流は下流、上流は上流ということではなく、子吉川の沿川として市民が一丸となって川を大事にし、将来に引き継いでいける活動が生まれてくれば非常にいいと感じた。



8.まとめ
 
 今回の委員会で頂いた意見については、事務局で適宜修正、まとめを行い、委員長と相談の上、報告文を作成し、委員の方々に配布する。