第4回子吉川河川整備委員会 議事概要

第4回子吉川河川整備委員会 議事概要

議事概要

議事概要


<意見交換>
(発言者)   ●:委員    ◆:事務局

1.鳥海ダムの整備効果についての説明資料(資料-2)についての意見交換
 

1ページに昭和22年7月洪水と同規模の洪水に対する被害軽減効果が書いてあるが、鳥海ダム建設、河道掘削、堤防整備がそれぞれどの程度の被害軽減効果をもつのか。

鳥海ダムだけではこの効果をすべて発現するわけではない。常日頃からの適切な河川管理がベースにあり、足りない分を堤防整備や河道掘削を行い器を大きくし、上流から流れてくる洪水をダムでためることで、初めて効果が出る。

現在の安全度はおおむね5分の1から10分の1程度であるが、河川改修だけで対応すると、15から20分の1ぐらいまで向上する。ダム建設だけでは、10分の1の冠水頻度に向上させるにとどまる。河川改修とダム建設を効率良く行うと、安全度が40分の1まで向上する。

1ページの治水効果(1)の30年に一度の洪水に対して本荘市内の氾濫面積が軽減されているのは河道掘削、堤防整備の効果であり、2ページの治水効果(2)の10年に一度の洪水に対する現況の氾濫面積がゼロになるということは、上流部ではほとんどダムの効果だと解釈したが、間違いないか。

鳥海ダムは全川にわたって効果を発現するが、河道掘削と堤防整備は二十六木橋より上流では行わないため、上流部の氾濫面積に見られる軽減効果はダムの効果として考えられる。河川管理を徹底的に行うこととダムの調節により安全度を上げる。

ダムのB/Cを計算するときに、対象とする洪水への被害軽減の効果を数字として示す必要がありますか。

B/Cの計算は、被害軽減額を総投資額であるダムの建設費で割って、費用対効果を算定する。B/Cはダムの詳細な事業計画が固まる段階で評価していくこととなる。



2.子吉川 正常流量と河川流況説明資料(資料-3)についての意見交換
 

3ページの図面がわかりにくい。結論は、10年に一度の渇水時には若干問題があるが、平均的なものを見れば問題ないということでよろしいか。

1ページの正常流量の確保について、目的①の「流水の占用」というところが既得水利権で、この他にも舟運、漁業などが挙げられる。目的②の河川環境の整備と保全、これを維持流量と考えて、維持流量プラス流水の占用が正常流量だと解釈している。10年に一度の渇水が起きると、ダムがない自然の状態では3ページのようになるが、ダムを建設することで資料-2の4ページのように、10年に一度の渇水時でも11m3/s確保できると解釈したが、それでよろしいか。

生態系や河川管理システムの維持ということで、利水活動にかかわらない固有の流量があり、それに生活するために使う水の量を足したものが正常流量という概念になっているため、御説明のとおりである。

資料説明の補足として、流量の確保について問題がないと説明したが、11m3/sという必要な量に対して、現在の平均の渇水流量は9.5m3/sほどであり、1.5m3/sほど不足している。毎年常々でもこのぐらい不足しているということで御解釈いただきたい。



3.子吉川水系河川整備計画素案(大臣管理区間)の構成(資料-4)についての意見交換
 

資料では3章、4章、5章すべて利水が1番上にある。あくまでも治水がメインであり、治水、利水、環境という並びのほうがいいと思う。

重複しているところを囲みたいという意識があり、便宜上こういう形にさせていただいた。素案にも治水、利水、環境という形で記載しているので、特に他意はない。

キャッチフレーズをつくらなくていいのか。例えば、「癒しを満たし、安全・安心な川づくりを目指して、子吉川での挑戦」とか。

法定計画上は記載できないが、皆さんに周知するための、パンフレット等においてキャッチフレーズをつくることは支障ない。



4.子吉川水系河川整備計画素案(大臣管理区間)(資料-5)についての意見
 

第1章 計画の基本的考え方についての意見

「少子高齢化の到来、高度情報化の到来」などの社会的認識をしているが、河川における取り組みとして、反映されていない。整備局のHP等において、社会情勢に対応した河川整備のあり方としてまとめられているので活用、反映して欲しい。(P1)

飲用水について市民は非常に不安を持っている。鳥海ダムの建設が飲用水に関わりがあるとすれば、わかりやすく説明を加えて欲しい。(P2)

第2章 子吉川の概要についての意見

市民から子吉川の源流はどこかという質問があった場合のために、答えられるようにして欲しい。(P4)

クロマツ林の写真が出されているが、今ではここまで立派なクロマツ林は、子吉川流域ではほとんど見ることができない。松くい虫の被害で、枯れ木が立っている状態である。(P16)

伝統漁法として、シロウオの持ち網漁が紹介されているが、現在は行っていない。伝統漁法としてあげるので有れば、追い込み漁を紹介した方が良い。(P17)

歴史文化のところで北前船に関する記述があるが、子吉川を挟む「古雪港」「石脇港」は、三津七湊に位置づけられている。もっと詳しく記述した方がよいと思う。(P18)

河川利用のところで「イカダ下り大会」の紹介があるが、平仮名で紹介して欲しい。(P19)

地域との連携において、子吉川フェアが紹介されているが、ちらしが古い。由利本荘市となっている今年のものを使って欲しい。(P23)

第3章 子吉川の現状と課題に対する意見

危機管理対策に水質事故時の対応の記述があるが、水質事故とはどういう事故か。内容について一言加える必要がある。(P30)

図3-6 秋田県火山噴火防災マップは、どのような条件でこのような降灰エリアとなっているかなどの条件記述が必要ではないか。(P31)

動植物環境の中で、魚類に関する現状と課題の認識が少ない。サクラマスの減少、カワヤツメの減少などの問題、オオクチバスの問題など、もっとネガティブな面を記述した方がよいのではないか。(P33)

26ページの図3-4河道内樹木の発達状況(斜め写真)、33ページの図3-8主なアユの産卵場(斜め写真)、59ページの図5-20樹木繁茂の状況の写真が同じ写真を使用している。紹介している内容にあわせ、写真を工夫して欲しい。(P33)

水質環境は上流に行くほどきれいになるという認識がある。図3-9子吉川の水質環境基準では、子吉川本川の上流部が環境基準のAA類型で、上流の支川がすべてA類型の表示として見られるので、直した方がよいのではないか。(P34)

不法投棄の写真があるが、塵芥などもあり、川におけるゴミの種類について定義付けが必要ではないか。(P36)

図3-13せせらぎパークの平面図は現状と異なっているので直した方が良いと思う。(P37)

第4章 河川整備の目標に関する事項に対する意見

震災対応として津波も入れるべきではないか。(P38)

第5章 河川整備の実施に関する事項に対する意見

図5-2 堤防整備箇所(川口地区)の芋川と子吉川の合流部に菖蒲崎貝塚がある。堤防整備と併せて保存できないか。(P44)

図4-5堤防の質的整備断面イメージ図のドレーンの位置は適切か。(P45)

堤防の質的整備断面イメージで使われている「パイピング」は一般の人にはわからない。整備計画の後に用語集をつくったらどうか。(P45)

図5-5河道掘削位置図の大沢川の位置が違う。(P46)

河道掘削位置図の図と写真では、実際の位置がよくわからない。(P47)

図5-13の元図が古い。既に川原のせせらぎパークが完成しているので、図を直した方が良いと思う。(P50)

図5-17の水辺拠点イメージ図が西滝沢の地図ではない。(P54)

図5-18のせせらぎパークのイメージ図が異なる。(P55)

図5-21の樹木管理イメージで、一番上の図の記述から、二段目の図の記述に行く矢印に、「しかしながら」などの記述が必要である。2番目の矢印のところで、「そのために、良好な生態系構造の保全に配慮して」などの記述が必要である。(P59)

「樹木管理の内容」において、「乾燥化による帰化植物進入防止のため、現地の土を再利用します」とあるが、P46でも掘削土の活用について、より明確に記述すべきではないか。(P59)

水防活動への支援強化について、昔は水防団、消防団が真っ先に非常時の対応に当たっていた。しかし、その方々も高齢化し、数自体も減っている。国交省や他の自治体がすべて手当てできないとなった場合に、どういった形で対応されていくのか。その辺の指摘がなくていいのか。(P62)

今年6月1日から外来生物法が施行されている。外来種対策の「オオクチバスが特定外来種に指定されている」という表現ではなく、「オオクチバス等」と一言入れるだけでも印象が違ってくると思う。(P69)

環境教育の支援、河川愛護の啓発において、総合学習の時間での活動、クリーンアップなどの活動が紹介されているが、下流部のイメージしかない。上流部での活動もいれて、上下流の交流についても記述してほしい。(P70,P71)

子吉川では上下流の連携が盛んに行われている。上下流の連携や協力体制ついてもっと記載するべきではないか。(P78)

公、私、共の3者から協を含めた4者の川づくりについて、一般的に認識されていないのではないか。出典等を出しても良い。(P78)

フォローアップのイメージにある「PLAN」「DO」「SEE」よりも「PLAN」「DO」「CHECK」「ACT」が一般的ではないか。(P79)

「PLAN」「DO」「SEE」などの表現は社団法人日本能率協会が古くから使用しており、独自の考え方を入れるべき。「Plan」「Do」「Check」「Action」も国交通省がつくった概念ではない。誰かがつくった概念を持ってきて張りつけるのは、安直でよくない。(P79)

その他の意見

ほかの地域で発生した洪水で、流木が橋脚にぶつかることによって橋が流されたというニュースが出ていたが、子吉川の場合は大丈夫か。(その他)

鳥海ダムが洪水、渇水、災害に対して非常に有効かつ重要なことはよくわかるが、ダムは費用がかかって不要だという認識が広がっていることも踏まえながら、市民に必要だということをよく理解していただけるよう努力がもう少し必要ではないかと感じている。(その他)




5.意見の取扱い
 
 いただいたご意見や現状認識や事実確認に関する指摘の修正を素案縦覧までに実施します。今後寄せられる素案に対する意見については、第5回委員会で紹介します。